カジノにおけるピットボス

カジノはスロットマシン、ポーカーテーブル、煌びやかで華やかな世界が全てではありません。すべての業務がスムーズに行われるよう目を光らせている人たちもいるのです。カジノを楽しむ上で、そうした人たちのことを考えることはあまりありませんが、彼らはカジノというシステムの重要な役割を果たしており、ある意味では最も重要な存在かもしれません。

ピットボスとはどんな人たちか

ゲームテーブルを監督し、ゲーマーをコントロールし、カードが正しく使われ、カジノのよい雰囲気を維持する人々がピットボスです。ピットマネジャー、ピットスーパーバイザー、ゲーミングマネジャー、ゲーミングスーパーバイザーなどと呼ばれることもあり、通常はカジノのピットエリアで業務を行います。ピットからカジノフロア全体の稼働状況を監督するのです。ピットボスはゲームのあらゆる側面に気を配り、エラーに注意し、間違いが起こるのを未然に防ぐために最善を尽くします。またゲームの手順とプロトコルが確実に守られるようにするのです彼らの役目です。そういう意味で、彼らはテーブルゲームの開始から終了までを取り仕切る責任者なのです。

カジノのピットボスになる方法

人生の中で、施設や部門の長になるには、低い地位・低い賃金から始めて徐々にトップへと上っていくというビジネス界で常識のプロセスを経る必要がありますが、ピットボスについてもそれは同じです。彼らは通常全種類のテーブルゲームのディーラー訓練を受けなければならず、ピットボスに昇格するまでには何年もディーラーとして働く必要があります。カジノの中にはピットボスの職につくのに大学の学位を条件としていない店舗もありますが、学位を必要とすることが明確に規定されている店舗もあります。

ピットボスの責任

ピットボスには多くの責任や業務が伴うものですが、それは傍目にはわかりません。なぜなら、何事も起こらず、ゲームに夢中になっていられるということは、全てがうまくいっていることの裏返しだからです。そして、カジノでは、ゲームだけに集中できる状況が普通だからです。

ピットボスの業務は常に同じというわけではなく、時代の流れとともに変化してきました。以前は、カジノのディレクターまたはマネジャーの一人という存在でした。

しかし今日では、ピットボスはほぼ全般に関して責任を負うようになりました。複数のテーブルゲームに注意を払い、数十種類のゲームが行われているピットの運営管理を行い、フロアの全スーパーバイザーとピットのディーラーたちの監督も行います。これら全てがピットボスの責務で、ピットの監督業務だけでなく、書類手続きまでも行っています。

大きな責任を負い、多くの業務とそれに費やす努力が要求されますが、だからこそギャンブル業界の人々が最終ゴールとして目指す職務なのです。

ピットボスの責任となる書類手続き

業務を正しく行うためには、法規定や手順に従って、各種の書類手続き業務が発生するものです。ピットボスの責任となる書類手続きには、以下のようなものがあります。

プレイヤーの格付けシート

テーブルゲームのインベントリーシート
テーブル(チップ)管理およびクレジットの伝票
シフト報告書
MTLとCTR文書
合衆国法典第31編の銀行業務規定に定められたその他の書類

プレイヤーによる紛争

カジノを運営していると、プレイヤーが関与する異例な出来事や規則違反、あるいは問題行動などが起こることもあります。それらの出来事を未然に予防するのもピットボスの責任ですが、それでも発生してしまった場合には、適切な対処が必要となります。問題や紛争を解決するために、ピットボスは全ての規定とルールを完璧に理解しておかなくてはなりません。問題が複雑で長期化してしまった場合には、カジノの経営者や規制機関、あるいは賭博管理委員会まで巻き込むことになるかもしれません。